公式ストア経由以外での配布

iOS アプリの場合

App Store を経由せずに、アプリの配布を行う場合があります。次のような、2 つのシナリオが考えられます。

  1. 検証目的の場合 : アプリのリリース前には、さまざまな検証を行います。このため、複数のテストユーザーに、AppStore経由以外の方法でアプリを配布できる方が、都合がよい場合があります。

  2. 社内 ( In-house ) での使用を前提にしたアプリの場合 : 企業または組織内での使用目的で作成されたアプリの場合、App Store経由以外の方法でアプリを配布できる方が、都合がよい場合があります。

社内( In-house ) だけの配布でも、 Apple Developer Enterprise Program アカウントに登録する必要があります。

Apple Developer Program と Apple Developer Enterprise Program の比較表を、次に記します。

Apple Developer Program

App Developer Enterprise Program

ベータ版リリースの OS への配布

Ad Hoc 配布

App Store での配布

不可

社内( In-house ) 専用の配布

不可

TestFlight Beta Testing ( Beta 版アプリの検証アプリ )

不可

チームの管理

不可

アプリ解析

不可

各プログラムの比較に関しては、こちら をご確認ください。

プレリリース版アプリの配布方法 ( 検証目的 ) は、2 通りあります。

  • App Store Connect を使用 : iOS Developer Programアカウントの登録およびアプリの審査 ( Apple Review )が、事前に必要です。

  • Ad Hoc 配布 : iOS Developer Program または iOS Developer Enterprise Program アカウントが必要です。アプリの審査 ( Apple Review )は、必要ありません。

社内 ( In-house ) 配布は、限定的 ( 社員・スタッフ向け ) な、iOS アプリの配布時に使用されます。この配布形式を使用すれば、業務用のすべての端末に、アプリを配布できます。検証目的で、社外の関係者に配布する場合、または、配布対象の端末を限定する場合には、Ad Hoc 形式で配布します。

Ad Hoc 配布では、Ad Hoc 配布用 プロビジョニング プロファイル を使用して、アプリの配布を行います。登録された端末が対象で、100 台まで配布できます。

アプリのインストール方法に関しては、いずれの配布形式でも同じです。プロビジョニング プロファイルはそれぞれ異なります。

App Store 経由以外でアプリを入手した場合、次のいずれかの方法でインストールできます。

Apple Configurator 2 を使用してインストールする( Mac のみ )

1. App Store から Apple Configurator 2 をインストールします。

2. 端末と PC を接続します。

3. Apple Configurator 2 を開き、端末を選択します。 端末が表示されない場合は、端末が Mac に正常に接続されていることを確認してください。

4. 追加ボタンをクリックし、App を選択します。

5. 自分の Mac から選択ボタンを選択し、.ipa ファイルを参照すると端末ににアプリがインストールされます。

Xcode を使用したインストール方法

次のように、Xcode 経由で、iOS アプリ ( .ipa ファイル ) をインストールできます。

1. 端末と PC を接続します。

2. Xcode を開き、Window → Devicesを選択します。

3. Devices 画面が表示されます。アプリをインストールする端末を選択します。

4. 右下の Installed Apps に、 .ipa ファイルをドラッグ & ドロップします。

iTunes を使用したインストール方法

iTunes 12.7 for Mac では、アプリに大きな変更が行われました。 音楽、映画、テレビ番組、オーディオブック、ポッドキャストの販売に焦点を当てるように iTunes を再設計し、iPhone や iPad 用のアプリを購入するための App Store は廃止されました。そのため、iTunes を使用してiOS アプリ ( .ipa ファイル) をインストールすることはできません。

  1. デバッグビルドまたは Ad Hoc ビルドで、アプリをビルドします。iOS のビルド手順に関しては、 iOS アプリのビルド をご確認ください。

  2. ビルド完了後、 .ipa ファイルをダウンロードします。

  3. iTunes を開き、Apps を選択します。

  4. ダウンロードした .ipa ファイルを、App 上に、ドラッグ & ドロップします。

  5. 端末と iTunes を接続して、ホーム画面上に、アプリの一覧を表示します。

  6. 対象アプリのインストールボタンをクリックして、次に、同期ボタンをクリックします。次に、例を示します。

OTA 配布形式でのインストール方法

OTA ( Over-The-Air ) 配布形式であれば、HTTPS 経由でビルド済みアプリをインストールできます。

  1. デバッグビルド、Ad Hoc ビルド、または、In-house ビルドでアプリをビルドします。iOS のビルド手順に関しては、 iOS アプリのビルド をご確認ください。

  2. ビルド完了後、 .ipa ファイルをダウンロードします。

  3. ダウンロード元となるサイトに、 .ipa ファイルをアップロードします。

  4. ビルド済みアプリ用の .plist ファイルを作成します。 .plist の内容を、次に記します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
    <plist version="1.0">
    <dict>
    <key>items</key>
    <array>
        <dict>
            <key>assets</key>
            <array>
                <dict>
                    <key>kind</key>
                    <string>software-package</string>
                    <key>url</key>
                    <string>https://www.anysite.com/application/your_app.ipa</string>
                </dict>
            </array>
            <key>metadata</key>
            <dict>
                <key>bundle-identifier</key>
                <string>com.example.helloworld</string>
                <key>bundle-version</key>
                <string>1.0.0</string>
                <key>kind</key>
                <string>software</string>
                <key>title</key>
                <string>HELLO</string>
            </dict>
        </dict>
    </array>
    </dict>
    </plist>

.plist ファイル作成時の注意点:

  • .plist ファイルは、HTTPS プロトコル経由でアクセスできること。

  • App ID を使用して、bundle-identifier を更新すること。

  • .ipa ファイルへのパスを、正しく指定すること。

5. ダウンロード元となるサイトに、 .plist ファイルをアップロードします。HTTPS プロトコル経由で、このファイルにアクセスできることを確認します。

6. アップロードした .plist ファイルへのリンクを組み込んだ Web ページを作成します。次の例のように、 itms-services:// プロトコルも使用します。

<a href="itms-services://?action=download-manifest&amp;url=https://www.anysite.com/application/your_app.plist">
Download
</a>

7. 接続準備の完了後、端末上からリンク先にアクセスすると、次のように、アプリのインストールが開始されます。

Android アプリの場合

Google Play ストアや Amazon AppStore などの公式ストアを経由せずに、アプリの配布を行う場合があります。次のような、2 つのシナリオが考えられます。

  1. 検証目的 : アプリのリリース前には、さまざまな検証を行います。このため、複数のテストユーザーに、公式ストア経由以外の方法でアプリを配布できる方が、都合がよい場合があります。

  2. プライベートでの使用 : 不特定多数への配布を目的とせず、プライベートでアプリを使用します。

ADB コマンドを使用したインストール方法

ADB ( Android Debug Bridge ) は、コマンド ライン ツールです。このツールを使用して、端末・PC 間で、各種処理を行えます。

事前準備:

  • Android SDK を、PC 上にインストールします。

  • Android SDK のインストール後、システム環境変数の設定で、ADB へのパスを追加します。

  • USB デバッグを有効化します。次に、セキュリティー設定を変更して、Google Play ストアではなく、指定するソースから、アプリ ( 提供元不明のアプリ ) をインストールできるようにします。

ADB コマンドを使用して、ビルド済みアプリをインストールする方法を、次に記します。

  1. デバックビルド形式で、アプリをビルドします。Android のビルド手順に関しては、 Android アプリのビルド をご確認ください。

  2. ビルド完了後、 .apk ファイルをダウンロードします。

  3. USB を使用して、PC と端末間を接続します。

  4. PC 上で、次のコマンドを実行します。 .apk ファイルへのパスは、正しく入力します。

adb install foo.apk

直リンクを使用したインストール方法

こちらは、 .apk ファイルへの直リンクを使用したインストール方法です。

  1. デバックビルド形式で、アプリをビルドします。Android のビルド手順に関しては、 Android アプリのビルド をご確認ください。

  2. ビルド完了後、 .apk ファイルをダウンロードします。

  3. ビルド後にダウンロードしたファイルを、ダウンロード元となるサイトにアップロードします。

  4. 端末からアップロードしたファイルへのリンクをクリックして、アプリのインストールを開始します。

事前に確認する項目:

  • USB デバッグ の有効化。

  • セキュリティー設定の変更。 ( Google Play ストアではなく、指定するソースから、提供元不明のアプリをインストールできること )

関連項目:

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